訪問看護ステーションのリハビリと、訪問リハビリの違いについて現場の感覚でざっくり解説
こんにちわ、とまよです。
実は今、2021年度の介護報酬改定に向けて、訪問看護における療法士の業務が縮小される動きとなっているんです。
詳しくはこちらの記事を参照
訪問看護ステーション本来の趣旨に鑑み、「スタッフの6割以上が看護職員」などの要件設定へ—社保審・介護給付費分科会(1) | GemMed | データが拓く新時代医療
現在、訪問看護ステーションでの療法士によるリハビリを受けている方の一部は、今後リハビリを受ける事ができなくなる…
なんて事も考えられます。
ただ、利用者の多くは、
そもそも訪問看護ステーションのリハビリと、訪問リハビリって何が違うの?
そのように思っているのではないでしょうか?
この記事ではこの疑問について、普段訪問看護ステーションで働く私が、現場の感覚でざっくり解説していきます。
最初に結論から申しますと
- 実施できるリハビリはどちらも一緒です。
但し制度や、今後求められる事は異なる点があるため、順番に解説していきます。
訪問看護ステーションからの療法士の訪問は、「訪問リハビリ」ではなく、「訪問看護の一環」
訪問看護ステーションからの療法士の訪問は、あくまでも看護師の代わりに来るという位置付けになっています(なのでここからは仮に訪問看護(リハ)と呼びます)。
そのため、本来は訪問リハビリと表記はしないのですが、現場で明確に分ける事は少ないです。
代わりという位置付けなので、
看護師がずっと訪問しない状況は問題だ
って事で、
どんな方でも、利用している人は看護師が定期的に訪問する必要があります(現制度では最低3ヶ月に1回)。
特に必要ないよ〜って方でも、普段の生活について相談したり、伸びた爪を切ってもらったりする事が多いです。
利用期間が短期的か長期的か
ここは定義づけしてしまうのは問題があるのですが、実際に起こっている傾向なので敢えてお話しします。
報酬には加算というものがあります。
事業所としては出来るだけ多くの加算をとりたいわけで、そのための取り組みを行っていきます。
訪問リハビリと訪問看護(リハ)を比較すると、訪問リハビリは期間に関する加算が存在します。
加算だけ見れば、集中的にやって、早めに終了する事にメリットがあるわけです。
事業所によっては、加算を取りたいので、目標を決めて、それが達成したらどんどん終了していく方針の所が多いです。
一方、訪問看護(リハ)では比較的長期の利用となる事が多いです。
それは、緩和ケアや在宅での看取りなど、その人の人生の最後まで寄り添っていく事が、今の訪問看護ステーションに求められているからです。
事業所の選び方
実際の所、地域によっては選ぶほど事業所が存在しない事も多々あります。
なので、前述した機能や役割というのが、地域によってごちゃごちゃになってしまっているのが現状です。
訪問看護ステーションなのに、リハビリの職員ばかりいたり…
訪問リハビリといいながらも、マッサージだけの介入を長期間続けていたり…
担当する療法士の知識や経験による差も、当然ながらありますので
まずは担当のケアマネージャーさんに相談するのが良いと思います。
利用者や家族が求められる事
今後やりたい事、自分自身がどうありたいかを、できるだけ具体的にイメージして、ケアマネジャーや療法士に伝える事です。
そうすれば、ケアマネジャーからは適切なサービス案を提案してもらえ、療法士のリハビリの内容も具体的になり、効果アップが見込めます。
介護保険を利用されている方も、今回の改正を機に、療法士が抱える課題を知って頂ければと思います。