とまよリハビリ

とまよと申します。訪問看護ステーションで理学療法士をしております。利用者の生活が少しでも豊かになるような、ちょっとした事を発信していきます。よろしくお願いします。

パーキンソン病と診断されたら読んで欲しい本

こんにちわ、とまよです。

最近のニュースで、みのもんたさんがパーキンソン病と診断されていた事が話題でしたね。


訪問看護の利用者様の中には、パーキンソン病と診断され、リハビリに取り組んでいる方もいらっしゃいます。


訪問看護を利用する段階なので、ある程度症状が進行している方が多いのですが、

比較的多く聞かれる意見として、


パーキンソン病って診断されたけど、具体的にどんな病気なのか、未だにあまりわかってない…


というのが多い印象を受けます。


なんとなく、当てはまる症状はあるものの、

今後何をしたら良いのか?

どんな事に気をつけたら良いのか?

主治医の先生とゆっくり話す時間もなく、理解も十分でないまま、症状は進行している…
そんな不安を抱えている人がほとんどです。


今回はパーキンソン病について、とても分かりやすく解説し、さらに対応策もある本がありましたので、紹介していきます。


パーキンソン病はこうすれば変わる!―日常生活の工夫とパーキンソンダンスで生活機能を改善

パーキンソン病とは

パーキンソン病とは、脳にあるドーパミンという物質が減る事により、脳から体への運動指令がうまく伝わらなくなる病気です。
「手の震え」
「筋肉のこわばり」
「動作が遅くなる」
「姿勢を保てなくなる」
などが主な症状です。

本の内容

この本は大きく3部構成になっています。

第1部 パーキンソン病の生活機能障害

日常生活で困難に感じる動作と、日常生活動作の工夫のポイントをイラストでわかりやすく解説

例えば、
意識せずに行う動作が困難となる

交互に動かす動作が困難となる

日常生活動作では、Q &A形式で解説しています。
更衣動作、排泄動作、入浴動作、食事動作、整容動作、起き上がり立ち上がり、生きがい、ストレスと動きまで、イラスト付きで解説しています。

「病状」の羅列ではなく、どんな事が困難と感じるのか、どのように工夫したら良いのか、が分かりやすく解説しているので、理解が深めやすいです。

実際に僕も、利用者に説明する際に使用しています。

第2部 パーキンソン病の理解のために

パーキンソン病の動向や最新の治療方法に加え、1章で述べたような、困難となる症状がなぜ生じるのか、どのように体の状態を検査・評価していくのか、より専門的な言葉で解説しています。

内容が少し難しくなるので、どちらかというと療法士をはじめとした医療従事者向けになるかと思います。
特に、「運動イメージ」に関する内容を詳しく解説してある所が、他の書籍と異なる点ではないでしょうか。

第3部 実践パーキンソンダンス

 
ここがこの本の最もお勧めするポイントです。
近年パーキンソン病治療にダンスが取り入れられており、その効果が示されています。

DVDが付いていて、実際のダンスがこのような感じです。


パーキンソン病はこうすれば変わる!


単純な動きだけでなく、音楽に合わせながら、運動範囲や速さに変化をつけたり、様々な方向へ運動を展開する事で、より効果的な運動となってます。

何より、単調な運動よりも、圧倒的に楽しいですよね!

この楽しさというのも、治療に効果的なのです。

ダンスも複数の要素で構成されており、座って出来るものから、立って行うものまで、難易度も広くなっております。

ご自身の体と相談しながら、適切な難易度で運動が実施できます。


ちなみに僕は、パーキンソン病の利用者様と一緒に実施し、慣れてきたら自主練習として行ってもらってました!

更にわかりやすくなった新版も!

リハビリをする中で大事な事は?

やってもらうより、自ら動くことが大事。
リハビリの先生には、自分がやってる事をチェックしてもらったり、アドバイスをもらったりする事に活用すると良いと思います。

まとめ

今回はパーキンソンダンスについてご紹介


是非お知り合いにお困りの方がいらっしゃったら、教えてあげて下さい。

訪問看護ステーションのリハビリと、訪問リハビリの違いについて現場の感覚でざっくり解説

こんにちわ、とまよです。

実は今、2021年度の介護報酬改定に向けて、訪問看護における療法士の業務が縮小される動きとなっているんです。

詳しくはこちらの記事を参照
訪問看護ステーション本来の趣旨に鑑み、「スタッフの6割以上が看護職員」などの要件設定へ—社保審・介護給付費分科会(1) | GemMed | データが拓く新時代医療


現在、訪問看護ステーションでの療法士によるリハビリを受けている方の一部は、今後リハビリを受ける事ができなくなる…

なんて事も考えられます。


ただ、利用者の多くは、
そもそも訪問看護ステーションのリハビリと、訪問リハビリって何が違うの?

そのように思っているのではないでしょうか?


この記事ではこの疑問について、普段訪問看護ステーションで働く私が、現場の感覚でざっくり解説していきます。


最初に結論から申しますと

実施できるリハビリはどちらも一緒です。

但し制度や、今後求められる事は異なる点があるため、順番に解説していきます。

訪問看護ステーションからの療法士の訪問は、「訪問リハビリ」ではなく、「訪問看護の一環」


訪問看護ステーションからの療法士の訪問は、あくまでも看護師の代わりに来るという位置付けになっています(なのでここからは仮に訪問看護(リハ)と呼びます)。
そのため、本来は訪問リハビリと表記はしないのですが、現場で明確に分ける事は少ないです。

代わりという位置付けなので、
看護師がずっと訪問しない状況は問題だ
って事で、
どんな方でも、利用している人は看護師が定期的に訪問する必要があります(現制度では最低3ヶ月に1回)。

特に必要ないよ〜って方でも、普段の生活について相談したり、伸びた爪を切ってもらったりする事が多いです。

指示書の違い

訪問リハビリでは、事業所や医療機関にお医者さんがいるので、そこからリハビリの指示書を出してもらいます。
訪問看護では、利用者のかかりつけ医からリハビリの指示書を出してもらいます。

利用期間が短期的か長期的か

ここは定義づけしてしまうのは問題があるのですが、実際に起こっている傾向なので敢えてお話しします。

報酬には加算というものがあります。
事業所としては出来るだけ多くの加算をとりたいわけで、そのための取り組みを行っていきます。

訪問リハビリと訪問看護(リハ)を比較すると、訪問リハビリは期間に関する加算が存在します。

加算だけ見れば、集中的にやって、早めに終了する事にメリットがあるわけです。

事業所によっては、加算を取りたいので、目標を決めて、それが達成したらどんどん終了していく方針の所が多いです。

一方、訪問看護(リハ)では比較的長期の利用となる事が多いです。
それは、緩和ケアや在宅での看取りなど、その人の人生の最後まで寄り添っていく事が、今の訪問看護ステーションに求められているからです。

事業所の選び方

実際の所、地域によっては選ぶほど事業所が存在しない事も多々あります。

なので、前述した機能や役割というのが、地域によってごちゃごちゃになってしまっているのが現状です。

訪問看護ステーションなのに、リハビリの職員ばかりいたり…
訪問リハビリといいながらも、マッサージだけの介入を長期間続けていたり…

担当する療法士の知識や経験による差も、当然ながらありますので

まずは担当のケアマネージャーさんに相談するのが良いと思います。

利用者や家族が求められる事

今後やりたい事、自分自身がどうありたいかを、できるだけ具体的にイメージして、ケアマネジャーや療法士に伝える事です。
そうすれば、ケアマネジャーからは適切なサービス案を提案してもらえ、療法士のリハビリの内容も具体的になり、効果アップが見込めます。


介護保険を利用されている方も、今回の改正を機に、療法士が抱える課題を知って頂ければと思います。

おむつ交換の介護が楽になる!ペンギンサポートという福祉用具の紹介。

こんにちわ、とまよです。

先日、利用者様の家族からこんな相談を受けました。


オムツ交換をする時に、寝返りを介助するのが大変なのよね…


自分で寝返りができない方を介護する時、オムツ交換ってすごい大変です。

特に体格の大きい方を、小柄な方が介護するとなると、余計にきつかったりします。

そんな寝返りを介助するために、体位変換器という福祉用具が存在します。

今日はそんな体位変換器の中でも、あまり浸透されていない、ペンギンサポートという商品を、実際の介護現場で使用してみたので、その感想を述べていきたいと思います。

ペンギンサポートって何?


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確かにペンギンっぽい。


ペンギンサポートは体位変換器の一種です。

体位変換器とは、側臥位(横向き)への体位変換や、寝ている位置を修正するために使用する物です。

実際にはこんな感じで使います。


ペンギンサポート【体位変換器】の使い方

実際に使ってみた

利用者様は男性、介護者は奥さんで小柄です。
他の体位変換器を試しましたが、うまく使えませんでした。
そこでペンギンサポートを使ってみたら、

思ったより、使いやすいかも!

慣れるのに時間がかかりそうですが、感触は良さそうです。

ペンギンサポートのここが良い

ベッド上でサイドレールなどに固定できる

 側臥位(横向き)の一時的な保持ができるのでおむつ交換などを楽に、より安全に行うことができます。

持ち手があるので少ない力で体位変換ができる

 体を直接支えるよりも、楽に行えるので、小柄な女性の強い味方。

介護グローブのような役割もできる

 ポケットが付いていて、中に手を入れれば背抜きもできるので、介護グローブのような役割も担います。
↓介護グローブ

 背抜きができれば、シーツのシワを伸ばしたりする事もできて、床ずれ予防になります。

ペンギンサポートのここが残念

衣類が引っかかりやすい

 冬物の衣類は摩擦が多くて少し入れづらいです。
 介護ベッドを使っているのであれば、リモコンで「あたま」の高さを上げると入れやすかったです!

膝を曲げた状態を保持できないときつい

 股関節や膝関節の拘縮があると、大変な場合も。

マジックテープが少し弱い

 体重を全部預けてしまうと、少し不安がありました。
 開発者さん、ぜひ改善を!

ペンギンサポートはどこで手に入る?

レンタルが可能

「ペンギンサポート レンタル」で検索した所、ダスキンヘルスレントでレンタルできるようです。

ペンギンサポート|体位変換器のレンタル|ダスキンヘルスレント

参考価格は、
レンタル料金1,520円/月
介護保険利用時負担額152円/月

試すのであれば、レンタルも良いですね!

楽天Amazonで購入も可能

使い勝手が良ければ購入も検討してもいいかも!

まとめ

  • 使ってみたら小柄な高齢の女性でも使用可能だった
  • レンタル、購入、どちらも可能


お知り合いに同じような悩みを抱えている方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてあげて下さい。

生活が少しでも豊かになりますように。

とまよと申します。

はじめまして。とまよと申します。
自己紹介します。

とまよって何者?

私は、訪問看護ステーションで、リハビリの仕事をしている、理学療法士です。

利用者宅に訪問し、お家でリハビリをしております。

リハビリでは、一緒に運動をしたり、自主トレの方法を伝えたり、生活環境を整えるために福祉用具を提案したり、病状の相談にのったり、色々やってます。(リハビリとは、訪問リハビリとは、理学療法とは、という話はまた別でお話します。)

利用者の中には、

  • 脳卒中によって後遺症で手足にマヒがある方
  • 骨折して筋力が弱った方
  • 肺や心臓の病気で体力がない方
  • 脊椎疾患などで痛みがある方
  • 難病により生活がどんどん困難になってる方

色んな方がいます。

介護保険を使う方が多いので、高齢者の割合が多くを占めます。

どんな事を発信するの?

普段の訪問をしていると、利用者から質問を頂くことが多くあります。
質問の内容をテーマに、自分なりの考えも含めて、解説できればと思います。

また、利用者宅に訪問すると、皆様が生活を送る上で、独自で考えて、様々な工夫を施しています。
便利アイテムを、自分で探して購入していたりします。
日々、驚かされてばかりです。
そんな工夫や、購入した商品も、紹介できればと思います。

その他諸々、思いつきで発信していきます。

なぜブログを始めたの?

今では高齢者の方も、スマホを手に取る割合が増えてきました。
また利用者のご家族も、インターネットで積極的に情報収集をしている様子が伺えます。

自分の目の前の利用者だけでなく、同じような悩みを抱えた方の生活が、少しでも豊かになればと思い、ブログを始めました。

このブログを見つけてくださるのが、現在リハビリに取り組んでいる人だったり、介護をしている家族だったり、医療・介護従事者の方だったり、色々だと思います。
ぜひ身近の方に、教えて頂けたら幸いです。

最後にまとめますと…

  • 訪問現場で気づいた事などを発信していく
  • とまよはみんなの生活を、ちょっと豊かにしたい

今後ともよろしくお願いします。